「インターネット広告を始めたい(または伸ばしたい)けど、代理店に頼むべきか/どの会社に頼めばいいか分からない」という相談はとても多いです。
結論、代理店(広告会社)選びで失敗する原因は、「料金の安さ」だけで決めることではなく、目的・計測・改善体制が合っていないことにあります。
特に近年は、媒体の選択肢が増えた一方で計測環境が複雑になり、「配信設定だけできる」では成果が出にくくなっています。運用・制作・計測・LP改善のどこまでを誰が担うかまで含めて、会社(代理店)を選ぶことが重要です。
- この記事で分かること
- 「インターネット広告の代理店」と「広告会社」って違う?
- 代理店ができること(依頼前に知っておくと失敗しにくい)
- 代理店に頼むべき?内製との違い(ざっくり判断基準)
- 料金体系と相場感:見積もりでズレやすいポイント(2025年版)
- 失敗しない代理店選び:7つの比較軸(チェックリスト)
- 見積もり比較で使える「質問テンプレ」
- 比較表テンプレ(コピペ用)
- 契約前に必ず確認したい5つの条件(トラブル予防)
- 依頼〜運用開始までの流れ(ざっくり)
- 成果を出すために“発注側”が用意しておくと強いもの
- よくある失敗例と対策(先に知っておくと防げる)
- 事例(よくある改善パターン)
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:代理店選びは「目的・計測・改善体制」で決まる
この記事で分かること
- インターネット広告の代理店/広告会社がやってくれること
- 失敗しないための比較軸(チェックリスト)
- 見積もり・提案を比較するときの質問テンプレ
- 料金体系(手数料・固定費など)と、見積もりの見方
- 契約前に必ず確認すべき条件(アカウント・解約・権限など)
「インターネット広告の代理店」と「広告会社」って違う?
検索キーワードとしては「インターネット広告 代理店」「インターネット広告 会社」の両方がありますが、実務上は同じ意味で使われることも多いです。
ただ、会社によって守備範囲が違います。主に次の3タイプに分かれます。
- 運用特化:広告アカウントの設定・配信・改善が強い(制作は外注の場合あり)
- 制作もできる:LP・バナー・動画まで一気通貫(成果改善が速い)
- 総合支援:広告+SEO+SNS+CRMなど全体設計(中長期向き)
まずは自社が求める支援範囲(例:運用だけ/運用+制作/運用+計測+LP改善)を整理すると、比較が一気に楽になります。
代理店ができること(依頼前に知っておくと失敗しにくい)
代理店の役割は、単に「広告を出す」だけではありません。成果に直結しやすい順に並べると、次の通りです。
1) 目的とKPI設計(まずはここ)
- 目的(問い合わせ/購入/来店/採用)を1つに絞る
- KPI(例:CPA、CV数、CVR、ROAS、商談化率)を決める
- 「いつまでに/いくらで」達成したいかを合意する
ここが曖昧なまま進むと、レポートを見ても改善判断ができず、結果として「広告費だけが増える」状態になりがちです。
2) 配信設計(媒体・ターゲット・配信面)
- 検索広告/ディスプレイ/SNS/動画の中から「最初の1媒体」を選ぶ
- 地域・年齢・興味関心・キーワードなどのターゲット設計
- テスト設計(2〜4週間で何を検証するか)
提案段階で「どの媒体が良さそう」だけでなく、最初のテスト仮説(例:指名/非指名、訴求A/B、LPパターン)が具体的かが重要です。
3) クリエイティブと導線(LP/フォーム)改善
- 広告文・バナー・動画などの制作(または改善提案)
- LPの改善(訴求、実績、FAQ、フォーム項目など)
- 計測の整備(コンバージョン計測、UTM、イベント計測)
広告は「集客装置」ですが、成果はLP・フォーム・追客(営業/CS)まで含めた導線で決まります。代理店がどこまで関与できるか(または関与する設計になっているか)を確認しましょう。
4) レポーティングと改善会議(成果が出る代理店ほど“見る指標”が明確)
- 週次:主要KPIの推移、検索語句/クリエイティブ別の差分、直近施策の結果
- 月次:目標に対する進捗、勝ちパターンの整理、次月の検証計画
- 四半期:事業KPI(LTVや商談化率)を踏まえた設計見直し
「何を見て、何を変えるか」が提案に含まれている会社ほど、運用の再現性が高い傾向があります。
代理店に頼むべき?内製との違い(ざっくり判断基準)
「そもそも代理店に頼むべきか」は、目的・体制・スピード感で変わります。以下は一般的な目安です。
| 観点 | 内製が向く | 代理店が向く |
|---|---|---|
| 社内リソース | 運用担当が週5〜10時間以上確保できる | 運用・制作・分析を回す時間が不足 |
| スピード | 試行錯誤に時間をかけられる | 立ち上げを早く、手数を多く回したい |
| ノウハウ | 媒体知識・計測・LP改善の経験がある | 媒体選定や計測設計から相談したい |
| 再現性 | 勝ちパターンが既にある | 勝ちパターンを短期で見つけたい |
現実的には、「立ち上げは代理店」→「型ができたら内製へ」や、「運用は代理店、素材と意思決定は社内」のハイブリッドが多いです。
料金体系と相場感:見積もりでズレやすいポイント(2025年版)
代理店の料金は大きく分けて手数料型/固定費型/成果報酬型/ハイブリッド型があります。会社によって定義が違うため、内訳の確認が必須です。
よくある料金モデル
- 手数料型:広告費の○%(例:15〜20%など)を運用手数料として支払う
- 固定費型:月額○万円(広告費に関係なく一定)
- 成果報酬型:1CVあたり○円など(適用範囲・計測定義の合意が重要)
- ハイブリッド型:固定費+手数料、または運用費+制作費を分離
見積もりで必ず分解すべき項目
- 運用費:アカウント設計、入札調整、配信最適化、分析、改善提案
- 初期費用:初期設計、タグ設定支援、アカウント構築(発生条件を確認)
- 制作費:バナー/動画/LP(“回数”や“本数”の上限、修正回数を確認)
- 計測費:イベント設計、GTM/GA4支援、データ連携(範囲を確認)
- レポート/定例:頻度と工数(週次/隔週/月次)
注意:料金の“数字”だけ比較すると、支援範囲が違っていて判断を誤ります。「何をやってくれる料金か」に落として比較しましょう。
広告費と運用費のざっくりイメージ(例)
以下はあくまでイメージです(業種・目的・媒体・支援範囲で変動します)。
| 広告費(例) | 手数料型(例) | 固定費型(例) | 向きやすい状況 |
|---|---|---|---|
| 30万円/月 | 最低手数料が設定されることが多い | 固定費だと割高に感じやすい | 小さく検証、まず勝ち筋探し |
| 100万円/月 | 支援範囲により費用差が出る | 運用+制作を分けて設計しやすい | 媒体拡張、LP改善を回したい |
| 300万円/月以上 | チーム体制・分析工数が重要 | 固定+成果連動なども検討 | 複数媒体、改善の手数勝負 |
最終的にCPA(獲得単価)を下げるには、単に運用費を削るよりも、改善の回数(仮説→施策→検証)を増やせる体制の方が効きやすいです。
失敗しない代理店選び:7つの比較軸(チェックリスト)
- ① 得意領域:BtoB/BtoC、業種、広告費規模、地域集客などの実績が近いか
- ② 媒体の相性:検索/SNS/動画など、主戦場が自社の目的と合うか
- ③ 体制:担当者の経験、複数名体制か、制作担当がいるか
- ④ 計測・レポート:何を指標に、どの頻度で、どんな形で報告するか
- ⑤ 改善プロセス:仮説→施策→検証のサイクルが具体的か(「何をいつまでにやるか」)
- ⑥ 料金と契約条件:手数料の考え方、最低契約期間、解約条件が明確か
- ⑦ コミュニケーション:レスの速さ、説明の分かりやすさ、数字の透明性
ポイント:「安い」よりも「改善の手数が増える」方が最終的なCPAは下がりやすいです。
チェックリスト:提案・打ち合わせで必ず確認する項目
- 得意領域:同じ業種の事例がなくても、同じ商材構造(単価/検討期間/購入頻度)での経験があるか
- 体制:担当者1名だけか、運用+クリエイティブ+分析で複数名か
- 改善の頻度:週次で“何を変える”のか、変更方針が決まっているか
- LP/フォーム:広告外(LP/フォーム/追客)まで改善対象として見ているか
- 計測:CV定義、重複計測、オフラインCVなどの論点に触れているか
- 透明性:媒体管理画面を共有してくれるか、レポートに根拠があるか
避けた方がいいサイン(赤信号)
- 目標やKPIを聞かずに「この媒体がいい」と即断する
- 「とりあえず回してみましょう」で、テスト設計がない
- 運用費の内訳が曖昧(何をどの頻度でやるか不明)
- アカウント権限やデータの扱いが不透明
- レポートが数値の羅列で、改善案が出てこない
見積もり比較で使える「質問テンプレ」
複数社で相見積もりを取る場合は、次の質問をすると比較がしやすくなります。
- 私たちの目的に対して、最初の1ヶ月は何をテストしますか?(検証項目の提示)
- 成果が出ない時、どこから改善しますか?(広告/LP/計測の優先順位)
- レポートは何を見ますか?(CV数、CPA、CVR、検索語句、クリエイティブ別など)
- 制作(LP/バナー/動画)は対応可能ですか?別料金ならいくらですか?
- 手数料・固定費の内訳、最低契約期間、解約条件は?
上級者向け:差がつく追加質問(“運用の中身”を見抜く)
- CV定義:何をCVとしますか?(送信完了/電話タップ/来店予約など)
- 計測の前提:タグやイベントは誰がどこまで整備しますか?
- 除外条件:不適合リード(採用/営業対象外など)をどう扱いますか?
- 改善の優先順位:広告・LP・フォーム・追客のうち、どれを先に手当てしますか?
- アカウントの所有:広告アカウントは自社名義ですか?権限は誰が持ちますか?
- 担当変更:担当が変わる条件、引き継ぎ方法は?
比較表テンプレ(コピペ用)
提案を受けるときは、各社を同じ軸で並べると判断がブレにくくなります。以下の表をそのまま使ってOKです。
| 比較項目 | 会社A | 会社B | 会社C |
|---|---|---|---|
| 得意領域(業種/目的/予算感) | |||
| 提案の仮説(最初の1ヶ月のテスト) | |||
| 支援範囲(運用/制作/計測/LP改善) | |||
| 運用体制(担当者/人数/経験) | |||
| レポート(頻度/指標/改善提案の有無) | |||
| 料金(運用費/初期/制作/計測) | |||
| 契約条件(最低期間/解約/権限) | |||
| コミュニケーション(連絡手段/レス/定例) |
契約前に必ず確認したい5つの条件(トラブル予防)
提案内容が良くても、契約条件で後から揉めるケースがあります。最低限、次の5点は確認しましょう。
1) 広告アカウントの名義・権限(最重要)
- 広告アカウントは自社名義で作成されるか
- 自社が管理者権限を持てるか(閲覧だけでなく)
- 解約後もアカウント・データ・学習履歴が引き継げるか
2) 最低契約期間・解約条件
- 最低契約期間(例:3ヶ月〜など)の有無
- 解約の申告期限(例:当月末でなく、前月○日など)
- 制作物の権利・納品形式(編集データの有無など)
3) 追加費用が発生する条件
- バナー本数、動画本数、LP修正回数の上限
- 新媒体追加時の費用(追加手数料・追加固定費)
- 計測改修(イベント追加、タグ追加)の費用
4) レポートと定例の頻度
- 週次/隔週/月次のどれか(事業フェーズにより最適が違う)
- レポート内容は「結果」だけか、「次の打ち手」まで含むか
5) 成果の定義(CV・不正・無効など)
- CVの定義(送信完了/電話発信/予約確定など)
- 重複CVや無効リードの扱い
- 成果報酬の場合は特に、計測ルールの合意が必須
依頼〜運用開始までの流れ(ざっくり)
- 現状ヒアリング(商品・ターゲット・過去施策・予算感)
- 目的・KPIの合意(何を成功とするか)
- 計測の整備(タグ・イベント・コンバージョン)
- 配信設計(媒体・ターゲット・クリエイティブ)
- 配信開始 → 週次で改善 → 月次で方針見直し
立ち上げを早くするコツは、「目的」「商材資料(強み)」「過去データ」「LP・フォームの現状」を最初に揃えることです。
成果を出すために“発注側”が用意しておくと強いもの
代理店の腕だけで成果が決まるわけではありません。特にリード獲得型(BtoBなど)では、広告→問い合わせ→商談→受注までの流れが整っているほど改善が速いです。
- 商材の強み:選ばれる理由(3つ程度)と、よくある懸念点
- ターゲット像:業種/職種/役職/課題、検討期間、単価感
- 追客の仕組み:問い合わせ後の対応(電話/メール/日程調整)
- 成果データ:商談化率、受注率、LTV(わかる範囲でOK)
- 素材:導入事例、実績、写真、FAQ、比較資料
よくある失敗例と対策(先に知っておくと防げる)
失敗例1:広告だけ改善して、LPやフォームが放置
対策:LP改善の担当(代理店/社内/制作会社)を決め、改善の優先順位に組み込む。
失敗例2:「CV」は増えたが、売上につながらない
対策:CV定義を見直し、質の指標(商談化率、成約率)をKPIに含める。除外キーワード・配信面も精査。
失敗例3:レポートは来るが、次の打ち手がない
対策:レポートの形を「結論→根拠→次の施策→検証方法」に統一し、週次で小さく回す。
失敗例4:契約後に“追加費用”が想定以上に発生
対策:制作本数、修正回数、計測改修の費用条件を契約前に明文化。
失敗例5:解約したらアカウントが引き継げない
対策:アカウント名義と権限を最初に確認し、解約後もデータを保持できる運用にする。
事例(よくある改善パターン)
ここでは実際によくある改善パターンを、イメージとして紹介します(成果は条件により変動します)。
事例1:BtoBの問い合わせ獲得|CVは増えたが商談化しない
- 課題:問い合わせ数はあるが、要件不一致が多い
- 施策:訴求を「無料相談」から「対象者が分かる訴求」に変更、LPに対象外条件を明記、検索語句と配信面を精査
- 結果(例):CV数は微減でも、商談化率が改善して受注効率が上がる
事例2:EC|CPAが高止まり
- 課題:広告費を増やしてもCPAが改善しない
- 施策:クリエイティブの勝ちパターン抽出、商品ページの訴求とレビュー導線改善、リマーケの設計見直し
- 結果(例):ROASが改善し、同じ広告費でも売上が伸びる
事例3:店舗集客|広告は回っているが来店につながらない
- 課題:クリックはあるが予約・来店が少ない
- 施策:地域・時間帯の最適化、来店ハードルを下げるオファー設計、電話/地図タップなど計測の整備
- 結果(例):来店関連のアクションが増え、費用対効果が改善
よくある質問(FAQ)
Q. 代理店に依頼する最低広告費はありますか?
A. 会社によって異なります。広告費が少ない場合は最低手数料(最低運用費)が設定されることもあるため、月の広告費と運用費のバランスで相談するのが現実的です。
Q. 料金が安い代理店はやめた方がいい?
A. 一概には言えませんが、安い理由が「支援範囲が狭い」「担当工数が少ない」なら成果が出にくい可能性があります。料金ではなく、やること(運用・制作・分析・改善頻度)で判断しましょう。
Q. レポートはどのくらいの頻度が理想ですか?
A. 立ち上げ期は週次〜隔週で改善が回ると強いです。安定期は月次でも良いですが、施策の検証サイクルが止まらない設計が重要です。
Q. 代理店を乗り換えるときに注意することは?
A. 最重要はアカウント権限とデータの引き継ぎです。自社名義で作成し、自社が管理者権限を持てる形にしておくと、乗り換えがスムーズです。
Q. クリエイティブ(バナー/動画)は代理店に任せるべき?
A. 任せた方が早いケースも多いですが、「本数」「修正回数」「納品形式」「改善の回し方」を明確にしないと、コストだけ増えやすいです。運用と制作が分断されない体制が理想です。
Q. 提案の良し悪しはどこで判断できますか?
A. 「媒体名」よりも、目的→KPI→仮説→最初のテスト→検証方法までが具体的かで判断するとブレません。
Q. 成果が出ないとき、何を優先して見直すべき?
A. 多くの場合、(1)計測の正しさ→(2)訴求とターゲット→(3)LP/フォーム→(4)媒体拡張の順で効きやすいです。どこから手を付けるかの説明ができる代理店は強いです。
Q. 契約期間はどれくらいが妥当?
A. 初動の学習と検証を考えると、最低でも2〜3ヶ月単位で評価するケースが多いです。ただし、解約条件が不利すぎないかは必ず確認しましょう。
Q. 代理店に丸投げしても大丈夫?
A. 丸投げでも動きますが、成果の最大化には「意思決定」「商材情報」「追客状況」など、社内の情報共有が不可欠です。共同運用の意識があると改善が速いです。
まとめ:代理店選びは「目的・計測・改善体制」で決まる
インターネット広告の代理店(広告会社)選びは、会社名よりも運用の中身で差が出ます。
まずは「目的」と「成功指標」を決め、その上で比較軸に沿って選ぶと失敗しにくくなります。
特に、支援範囲(運用/制作/計測/LP改善)と、改善の回し方(何をいつ検証するか)は、費用対効果に直結します。相見積もりを取る場合も、料金だけでなく「やること」を同じ軸で比較しましょう。